ストーマ装具は、皮膚に粘着する「面板」と排泄物を溜める「ストーマ袋」で構成されています。

中でも「面板」は、直接皮膚に触れる部分になるため様々な種類が発明されています。

素材、成分、固さ、高さ…。様々な要素で各メーカーが商品の差別化を図っています。特に固さや高さはバリエーションが豊富です。

この記事では、そんな「面板」の種類について紹介していきたいと思います。

1.面板とは

面板は「めんいた」と呼びます。ストーマ装具を皮膚に固定させる板状の粘着部分の総称です。

皮膚に直接粘着する面板にとって、最も重要な役割は剥がれないことです。そのため、現在流通しているほとんどの装具の面板には強力な粘着力が備わっています。

また。長時間貼付することによる皮膚トラブルを回避するために、多くの装具の面板には一般的な医療テープではなく、皮膚にやさしい「皮膚保護剤」と呼ばれる成分が使用されています。

さらに特徴的なのは面板の形状です。商品によって形状は異なり、使用される方にとって最適な装具が選択できるような工夫が施されています。

では、そんな面板の形状にはどのような種類があり、それらの目的はどういうものなのでしょうか。

2.平面型の面板

面板の形状として最もシンプルで、かつ一般的なのは「平面型」になります。薄くやわらかいため、装着していても違和感を感じにくいことが特徴です。

ストーマに高さがあり、ストーマ周囲の皮膚にシワやくぼみがない場合に推奨される形状です。

逆に、シワやくぼみがある場合に使用すると、その部分から漏れや剥がれが発生する可能性がありますので注意が必要です。

ストーマに高さが無かったり、皮膚にシワやくぼみが見られる場合には、お腹に圧力を加えられる「凸面型」が使用されるケースが多くなります。

3.凸面型の面板

凸面型の面板の目的は、ストーマ周囲の皮膚に圧力を加えることです。

皮膚に圧力を加えることで、高さのないストーマに高さを出したり、ストーマ周囲の皮膚のシワやくぼみを伸ばしたりすることができます。

凸面型は、面板の中でも最もバリエーションの多い分類であり、固さや高さなど、目視ではわからないようなわずかな差で様々な種類が用意されています。

※ご自身の体型や腹部の状態に合わない凸面型面板を使用すると、圧痕になり皮膚障害へとつながる恐れがあります。装具選択は必ず医療従事者の指示のもと、ご自身に合ったものを選定してもらいましょう。

4.凹面型の面板

オストメイトの中には、ストーマヘルニアなどでお腹が膨らんでいる方がいらっしゃいます。

そのような膨らんだ腹壁の方に向けた面板が、コロプラスト社の「センシュラミオコンケーブ」です。

凹型の形状をした面板が膨らんだ腹壁にフィットし、星型の構造が外周部のめくれ上がりを防ぎます。

膨らんだ腹壁の方に適した装具ではありますが、皮膚の状況やストーマの高さによっては適さない場合もありますので、ご興味がございましたら、かかりつけのストーマ外来などで医療従事者の方にご相談されることをおすすめします。

5.テープ付きの面板

皮膚保護剤の周囲にテープが付いている面板があります。

ホリスター社の装具によく見られる形状で、伸縮性の高いテープが腹壁に密着することで皮膚の動きにしっかりと追従してくれます。

皮膚保護剤部分がコンパクトで、より狭い面積に装着することが可能です。

ただし、外周のテープは皮膚保護剤ではないため、人によってはテープかぶれを引き起こす可能性があります。使用の際には注意が必要です。

6.まとめ

いかがでしたか？

ストーマ装具の面板には様々な種類があります。

その中でも凸面型の面板は種類が豊富です。使用される方に最適な装具が用意できるようにメーカーが努力をしている部分でもあります。

ご自身が使用されている装具が凸面型の場合は、この記事の早見表などで確認していただくと各メーカーの装具と比較が出来て興味深いかもしれません。

ただし、装具の選定は医療従事者の指示のもと行ってください。独断で決定されると、トラブルに発展する可能性がございます。この点を理解していただた上で、この記事が皆様のお役に立つことが出来ましたらうれしい限りです。

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