2026.01.21
こんにちは!中島小百合です。英語発音講師、通訳/翻訳、オストメイト認知啓発活動という3つの仕事をしています。子宮内膜症と直腸膣瘻で横行結腸一時的ストーマ10年生です。「こころのふれあいひろば」コラム第3回では、私の仲間とのつながりについてお話します。


下関でふくの真似をしたり、大阪で太陽の塔になったり。数々の奇行を笑って撮ってくれているのは同じ身体の仲間です
「オストメイトは同じ身体の仲間と仲良くした方が良いですか?」と聞かれることがあります。私は仲間がいたら楽しいし、ソロはソロでも楽しいので、「気の合う人と出会えたら、仲良くするのも良いと思います」と答えるのですが… 無理に仲間を増やしたり、心の離れた誰かと一緒に居たりするのは、ちょっと苦しいです。
手術で身体が変わっても、人格までは変わりません。もともと社交的だった方は術後も新しい出会いを楽しめるでしょうし、おひとり様が気楽だった方は術後も自分の興味の向くほうへマイペースに進むでしょう。
ただ術後半年くらい「オストメイトつらいこの身体もうイヤ人生終わった」と絶望していた時、暗黒期から脱出するきっかけをくれたのは同じ身体の仲間でした。自分が大事だと思う仲間が自分のことを大事にしてくれるのは幸せですし、そんなふうに思えるオストメイト仲間に出会えたことは私の財産です。

とはいえ、もちろん、最初は「(ひとり)ぼっち」でした。私の身体は「子宮内膜症で人工肛門」「直腸膣瘻の根治に消極的(オストメイトでいるほうがQOL高い)」「一時的ストーマのまま10年経過」という面倒な状態。退院後ストーマケアに慣れるまで漏れが怖くて籠城生活だったので、ネットで仲間探しを始めました。
子宮内膜症や直腸膣瘻の仲間は全く見つからず(笑)オストメイトのコミュニティを日本語と英語で探してみたところ、最初に見つけた居心地の良い場所がFacebookの「The Real Ostomy Support Group」でした。英語の非公開グループで、2026年1月15日現在メンバー3.2万人!毎日30件以上の投稿に50~100件の返答がばんばん飛び交う活発なコミュニティで、笑顔の自撮り写真あり、深刻なお悩み相談あり、世界各国のオストメイトが心を開いてお喋りを楽しんでいます。

同じ身体の人たちが毎日何十件も「今日こんなことした!」と写真つきで投稿しているのを見ていたら、うっかり自分も何かできる気になりました。「私もビーチ行った!」って写真つきで投稿したら、みんなにグッジョブグッジョブ言われてすごい達成感でした(笑)
応援って、がんばる力につながります。見ず知らずの人からの応援でも、勇気って意外と出ちゃうものです。最初の一歩をきっかけに、いろいろ投稿するようになりました。非公開のグループなので写真を公の場に晒されることもないし、管理の皆さんのおかげで治安も良いので話しやすいです。
自分の気持ちを文字や言葉で誰かに伝えるのって、心の整理になると思うんです。オストメイトであることをカミングアウトするかどうかは本人次第ですが、悩んだ時やモヤモヤする時、その悩みやモヤモヤを身体の外に出せると、ちょっと気持ちがスッキリします。文字や言葉にならないときは、お料理でも歌でも編み物でもイラストでも。なにか「つくる」ことでもジクジクした気持ちがマシになるように感じます(個人の意見です)。
友人の いしわたり さわこ さんとの「デコパウチ」活動*にも、手芸やアートの力を借りてストーマのある身体との前向きな日々を応援したいという気持ちをたくさん込めています。
最近は本当に、オストメイト当事者を対象にした交流会がたくさん開催されています。私が先日お喋りさせていただいたザイタックさんの「ふれあいサロン」は装具販売代理店さん主催の交流会のなかでもイチ推しですし、装具メーカーさんも定期的にオンライン/オフラインでイベントや交流会を開催しています。販売店さんや装具メーカーさんのSNS発信や機関紙を手当たり次第にフォローしておくと、勝手に情報が入ってくるので便利です。
は~い、それでは、全部フォローしてみましょう~❤(笑)
イーキンジャパン株式会社
コロプラスト株式会社
コンバテックジャパン株式会社
株式会社ホリスター
公益社団法人 日本オストミー協会(JOA)
オストメイト支援組織のなかで一番大きいのは公益社団法人 日本オストミー協会でしょうか。全国に支部があり対面やオンラインで交流会を開催しています。
本部の入会申込フォームに必要事項を入力すると、お住まいの最寄りの支部から連絡があり入会方法を教えてくれるそうです。
支部によっては独自のサイトを持っている場所もあります。ちなみに私は東京在住なので、東京支部の入会申し込みフォームから入会した記憶があります。
JOAは支部ごとに個性の違う活動をされているので、いろんな支部の交流会に行ってみて「しっくり来る」場所を探してみてくださいね。私は予定が合う時には東京支部、横浜市支部、千葉県支部、川崎市支部のイベントにお邪魔しています。また岡山県支部、福岡県支部、秋田県支部などの支部会報は情報が盛りだくさんで、毎号PDFで読ませて頂いています。個人名になるので公開を控えますが、JOAには面白い人がうじゃうじゃ居ます(笑)
JOAの中に「若いオストメイトの会(20/40フォーカスグループ)」というのもあります。
ちなみに私もJOAの本部と結託しまして、オンラインのピアサポートサロン「ライトハウス」を立ち上げ準備中です! ライトハウスって良い名前だと思いませんか、暗い海を照らすネット上の灯台です✨

同じ身体の仲間と仲良くするのって、正直なところ普段の人間関係より手間も時間もかかります。いちいちSNSを探してフォローして、術後や治療中は体調の波もあるのに!あちこちに顔を出して… しかも気の合う人が現地に1人も居ないことすらあります。
でも交流会で「ええい、どうせこの人たちとは今後会わないだろうから、好きなこと喋って帰ろう!」と半分むりやり心を開いてみると、妙にスッキリするんですよね。そうするとなんだか、また次回も行っちゃって、なんだか顔見知りが増えて、気づいたらその会の常連さんになってしまったりして。
たぶん鍵は「心を開いて喋る」ことなんじゃないかと思います。どんなイベントへ行くにしても、見ているだけではちょっと足りなくて。勇気を出して何か喋って初めて、やっとそこに自分のちいさな居場所が生まれる、という不思議がいつも起きます。周りの人が自分と違う雰囲気を出していても、好きな食べ物とか、推しのアーティストとか、推しの装具とか(笑)そういう小さな共通の話題から、世代や属性のまったく違う人と話が弾むのが交流会の楽しいところです。
どうか面白い人が見つかるまで、ダラダラいろいろ通ってみてください。術後はお出かけする場所があるほうがおうちに籠城しなくて良いですし、「ココはもう来ないかな…」と思った時こそ、帰る前に発言するチャンスです。誰かに何かを伝えようとする行為には、喋った人の心も、周りの人の心も動かす力があると思うので!どうかどうか、言葉の力を信じてみてください。
心を開ける大切な人と、たくさん出会えますように!
数撃って当てていきましょう!

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英語発音講師、音楽通訳・翻訳
オストメイト当事者
学習院大学文学部哲学科(東洋思想史専攻)卒業。
英語力ゼロで渡米。3年半でTOEIC満点、英検1級合格の英語力を習得。
米国バークリー音楽大学
Berklee College of Music
パフォーマンス(歌)学部卒業。
23歳から英語学習を始めネイティブ発音を習得。
音大で学んだ経験を活かした独自の発音指導方法を開発。
企業研修、個人指導などで英語発音の指導をおこなう。
通訳・翻訳業では、音大教科書の翻訳、音大教授のマスタークラス通訳、楽譜出版社の講義通訳、Zoomレッスンの同時字幕通訳、雑誌のインタビュー通訳などを担当。
結婚直後に腸管子宮内膜症で一時ストーマを造設。そのまま現在に至る。
「しあわせなオストメイトから明るくやさしい社会をつくる」を目標に全国で啓発活動を行う。