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第2話:5度の入院

2024.01.03

闘病1年目は、指定難病『潰瘍性大腸炎』について学ぶ年でした。

潰瘍性大腸炎は前話でもお話ししましたが、簡単に言うと血中の白血球が異常増殖することで大腸の内膜を傷つけ潰瘍を作ってしまう病気です。

激しい腹痛と下痢を繰り返し起こすため、一日のトイレ回数が40回を超える日が続きます。名前の通り大腸の病気のため、食べていいものと悪いものがあり、食事の内容によっては調子を悪くしました。

控えたほうが良い食事……揚げ物などの油分・脂質の多いもの、消化の悪い繊維質なもの

上記の食事を控えるようにとの指導をもらい実施しました。

蕎麦からうどんに変えてみたり、豚肉よりも鶏肉を多くしたり、揚げ物から焼き物に変えたり……。

しかし、試行錯誤しながら食事をとっても、強い薬(ステロイド)を処方されているときは調子が良いのですが、薬を減量していくと次第に調子は悪くなっていきます。

当時の私にとっては、控えたほうがいい食事を食べても食べなくても「どちらも症状は変わらないな」という気持ちでした。

強い薬を長く続けることは厳しいようで、G-CAPという身体の血液中にある白血球を除去する治療法が新たに始まりました。

白血球が悪さをするからです。

左腕からとった血液を機械に通して右腕に戻していきます。かなり太い針だったので、刺された場所は今でも跡が残っています。

はじめの数回は効果があったように感じられたのですが、月に1回のこの治療も、4回目が始まる頃には効果が薄くなり、腹痛の回数も増えました。

治療には1回1時間かかるのですが、終わるまで座って待っている間にもトイレの我慢ができなくなることが増え、治療が困難になっていきました。

この治療中に入院をすすめられ、2度目の入院に突入します。

退院後に体調の良い期間が少し長く続いたため、治験薬などを試したりしましたが、残念ながら約10か月後に3度目の入院をします。

新しくレミケードという治療薬を約1時間かけて点滴する治療が始まりました。この治療がよく効いたため、早くに退院ができました。

退院後は約3か月間どこにでも行けて、何でもできて、これで「やっと楽になれる」と思い、とても嬉しかった記憶があります。

しかし、4か月目に急にレミケードの効果がなくなり、4度目の入院となりました。

あまりにも薬が効かないため、闘病2年目にして細かく再検査を行い、新たに『家族性地中海熱』という病名が告知されます。ただし、告知されたからといって治療薬が変わったわけではないため、劇的に改善することはありません。

この後、ヒュミラという自己注射型の治療薬も開始しますが、効果は薄く5度目の入院に突入。新たにプログラフという飲み薬が始まります。

1回に飲む薬の量が16錠。これを朝昼晩と飲み続けましたが、2週間が経っても特に効果は得られず、ここで初めて『人工肛門造設手術』の話を主治医から聞かせられることになります。

闘病3年目にして、改めて難病というものは治らないもの、恐ろしいものなのだと思い知らされました。

PROFILE
横山ぐぐ さん

福祉イラストレーター

人工肛門を保有するイラストレーター。
難病の潰瘍性大腸炎を患い、3年間の闘病も空しく回復の余地がなかったため大腸を全摘出し、人工肛門を造設。
1つ目の人工肛門は腸閉塞の末、小腸穿孔で閉じ、2つ目を造設。
この入院中にオストメイトのマンガを描き、それがきっかけでイラストレーターとなる。
現在はイラストレーターとして各種イベントや展示に出展し、各企業のチラシやPOP等の作成をしている。